68番・神恵院 |
六十八番・神恵院も六十九番・観音寺も琴弾公園内の琴弾山(58.6m)の中腹にあります。同じ境内に2カ寺あるのは四国霊場中、ここだけです。
開基したのは法相宗の高僧・日証上人といわれています。大宝3年(703)この地で修行中、宇佐八幡宮のお告げを受け、かなたの海上で神船と琴を発見。琴弾山に引き上げ、「琴弾八幡宮」を建立して祀りました。
このとき、神宮寺として建てられた寺が起源とされています。大同2年(807)弘法大師が琴弾八幡宮の本地仏である阿弥陀如来を描いて本尊として祀り、寺の名を「神恵院」にとし、六十八番霊場としました。
寺 名/七宝山神恵院
(しっぽうざんじんねいん)
宗 派/真言宗
本 尊/阿弥陀如来
開 基/日証上人
創 建/大宝3年(703)
ご真言/おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
本堂
2002年に新しく建立された本堂は、コンクリート打ちっぱなしで白木と組み合わされた近代的な造り。
巍巍園(ぎぎえん)
山の斜面や岩石、流水を巧みに利用した回遊式庭園。第45世大政大僧正道尊和上が造ったといわれ、春にはツツジが美しく咲き誇ることでも有名。
宝物館
「釈迦涅槃像」や「琴弾八幡本地仏像図」「琴弾宮絵縁起図」など、国の重要文化財に指定された寺宝が数多く納められています。これらは、2月15日、4月8日に拝観できます。
こんな伝説があります。
日証上人があるとき海に浮かんでいる舟を見つけました。
その舟には翁が乗っていて琴を弾いていました。
その翁は宇佐八幡大明神といい、海を竹林と松林に変えてしまいました。
それを見ていた日証上人は、舟と琴を琴弾山の山頂に祀り、さらに神功皇后の像と八幡の本地仏である阿弥陀如来を安置しました。
これが琴弾八幡宮の始まりとされています。